4月4日に千葉県の浅井病院グループ「ゆりの木苑」特別養護老人ホーム、ユニットケア課で初めての「くれな音楽体操」が開催されました。
ユニットケア課は10人の利用者の方を1ユニット(生活単位)とし、3ユニットで構成されていています。少人数制で、利用者とスタッフが関わりあう時間が多くあるのが特徴です。私自身、この課で介護の仕事をしており、自分のよく知っている施設利用者の皆さんと『くれな音楽体操』に参加するは初めての体験でした。
今回は、1ユニット10名が参加されました。椅子に座っている方や、車椅子利用の方が輪になって並び、先生たちの到着を待ちました。少し眠くなる時間だったのでまどろむ人もちらほら。声掛けをしても、ちょっと目を開けても、再びウトウトとされてました。
先生たちが輪の中に入り、音楽が響き、「くれな音楽体操」が始まると、先ほどとは会場の雰囲気が一変しました。皆さん、音楽に乗り、前の人と手を合わせ、横に揺れています。いつもだったら『恥ずかしいからいいよ~』と遠慮する方も、背もたれにもたれず体を前に出し、元気に踊っています。普段手に触れられるのを拒まれる方も、スタッフの手を優しく握り、曲が終わっても手を離されませんでした。日ごろ『これ以上は肩が痛くて腕上がらないよ』と言われる女性の方も、どんどん腕を上げていました。
輪の外にいたスタッフ全員、いつの間にか輪の中で利用者の方と踊っていて、もしかしたら利用者の方よりも笑顔じゃない?というぐらいの感じです。
終了し、夕食が運ばれるまでの2時間、いつもでしたら部屋に戻り休まれる方がいる時間帯なのですが、どなたも部屋に戻ることなく、全員が席につき笑顔で話されていました。そこにいるだけでも元気になれる空間で、まだ音楽が流れているようなムードです。私自身、仕事が終わっても仕事を始める前以上に元気になっていました。
音を自分の中で感じ、その人が元気になっていき、空間までもが変わっていく瞬間を見させていただきました。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
一般社団法人日本ユニバーサルダンス協会
志賀美智子