加古川認知症家族の会(通称:加古川元気会)に招かれ、
体験講習を行ったときのことだ。
最初は、盛りだくさんの内容を予定していた。
ジュンコ・メソッド社交ダンスにおける
「姿勢、組み方、歩行」
をサラリ説明し、
介護者が「姿勢、組み方、歩行」を改善することで、
要介護者に与える影響、なりを伝えようと考えていた。
実際の施設で行なっている
「認知症の方々とのダンス」もチラリ紹介、
雰囲気を伝えるための簡単なダンスも体験していただく予定だった。
会場に、続々参加者が集まってきた。
ぐるっと取り囲むように並べられていた椅子が、
やがて、いっぱいになった。
立ち見の方もいる。
「社交ダンスの先生が・・・
一体、なにの講習をするのだろう?」
興味津々といった感じだ。
司会者から紹介を受けた。
一斉に視線が、こちらに注がれた。
円の中心にワタシは、立った。
ブォーン
エネルギーが集まってきた。
と、カラダは、
自動的にグラウンディング状態に入り、ググッと2つに割れた。
「変更、しよう」
と、思い立った。
講習内容のこと、だ。
時間は、1時間しかない。
「知識、テクニック披露は、やめよう」
その代わり、
この方たちに、今、最も必要なことを、しっかりと、伝えよう。
伝えたいこと・・・それは、
「本気の元気」だった。
ワタシは、脚をガバッと広げ、両手をバンザイ
その腕をぐるぐる回し続け、
そして、叫んだ。
「元気ですかぁ〜」
おどけ、笑い、大声で、
「はーい、皆さん、元気ですかぁ〜」
手を叩き、足を踏み鳴らした。
そして、会場を、闊歩し始めた。
一人ひとりの視線をキャッチしながら、手を振り、笑った。
いきなりの道化の様子に、
最初は、驚き、引き気味だった方々が、ドッと笑った。
「まずは、介護する側のあなたが、
元気になりましょう!」
「本気の元気は、必ず、伝わりますヨォ」
みんなが、笑顔になった。
会場の空気が一変した。
「元気ですかぁ?」
答えが返ってきた。
「元気で〜す!」
みんな、立ち上がって、一緒に闊歩を始めた。
曲は・・・サンバだ。
ヒューヒュー!
イェ〜い!
もう、ノリノリダァ〜〜〜
「元気ですかぁ?」
「元気で〜す!」
終了後
「皆さんの、あんな、笑顔、見たことありません。
本当に、楽しかった。
先生の本気が伝わったのでしょうね。
また、講習、お願いできますでしょうか?」
一般社団法人日本ユニバーサルダンス協会
理事長 ジュンコ